小説2 悲劇の夜明け

俺は、そのときの生活に飽きていた。

刺激がなかった。

平和ボケした日本人が、さも当たり前かのように平和を謳歌している。

そんな生活に、おれは飽きあきしていた。

そこには、形だけの青春があった。

その先には、上司に頭を下げるだけの人生しかないと、おれは達観していた。

そんな時、大学内でこんな噂話が流れてきた。

「今、学生の傭兵を募集している国があるらしい・・・。」

俺は、その噂を信じ募集しているという事務所らしきところに行った。

そこは、東京のほぼ真ん中にあり表向きは雑貨屋であった。

しかし、裏では当時ニュースになっていたアジア某国での独立紛争に参加する傭兵を募集しているところだった。

とくに成績もよくなく親とも縁を切られていた俺は、すぐに参加の申し込みをした。

意味なんてなかった。

ただ、刺激がほしいだけだった。

それが、紛争地であっただけだった。

深く考えず、サインをした。

それが、俺の、真の青春の始まりだった・・・。