小説 1

荒れた街。

あのときから、何も変わっていない街。

建物の壁には大きさがまちまちの弾痕があり、路肩には破壊された車輌が点在している。

さすがに遺体やお骨はなかったが、夥しい血痕が残っていた。

小銃や軽機関銃、ロケット砲も錆びて残っていた。

俺は、この街で2週間もの間戦闘をした。

今から、もうだいぶ昔の話である。

ここでは、親しい戦友が多く逝ってしまった。

後に続くを信じて、皆苦しい表情の中に連帯感を持って逝ってしまった。

ここにきて、皆の供養をしようとやってきた。

しかし、供養より先にここで過ごした青春1ページを思い起こしたのであった。

そして、ここで行われた戦闘のすべてを思い出したのであった・・・。