とある控室に男一人。
黒い学ランを身につけ、静寂を守る控室にいた。

聞こえてくるは、表の道を行く車の音のみである。

たまに聞こえてくるは、その男の靴底が床を踏み締める音と缶が机を叩く音のみである。

実に静かで不可侵な領域となっていた。
まるで神が巣食っているような、人工的な空間の中に自然があるような、そんな空気であった。